Dishonored(ディスオナード)』

復讐の仮面をまとう暗殺者、汚名を晴らす戦いがいま始まる 2011年7月に欧米で突如発表され、話題を呼んだベセスダ・ソフトワークスの最新タイトル. それが、ここに紹介するアクションゲーム、『 Dishonored(ディスオナード) 』だ. 日本人には耳慣れない響きを持つ言葉だが、これには"名誉を汚された"という意味がある. 本作は、不名誉な罪を着せられた男が、自分を陥れたすべてに復讐を誓い、"仮面の暗殺者"として生きる姿を壮大なスケールで描く作品だ. 今回は、ストーリーとゲームシステム、世界観にスポットを当てて紹介. 唯一無二の世界を作り上げたクリエイターのインタビューも合わせて、この"復讐譚"の魅力を解説していく. すべてを失った男が"仮面の暗殺者"として世界に復讐を誓う! 混沌が渦巻く時代. 金と権力を持つ一部の人間のためだけに、世界は存在していた. 暴虐と背徳、裏切りの嵐があらゆる街に吹き荒れている. 本作の舞台となるのは、そんな世界の片隅にある"ダンウォール"の街だ. 主人公のコルヴォは、女王のボディーガードを務める、職務に忠実な男だった. しかし、平穏な日々の終わりは、突如訪れる. ある日、彼の目前で女王が暗殺されてしまったのだ. コルヴォは暗殺犯として拘束され、極刑を課せられる. 何者かの手助けによって牢獄から逃げ出したものの、彼は指名手配犯として命を狙われる立場になってしまった. 謎の存在"アウトサイダー"の力で、超常能力を手に入れたコルヴォ. 彼はみずからの顔を隠し、過去と感情を封印するべく"仮面"を身につけた. ここに、己のすべてを復讐に懸けると誓った、"仮面の暗殺者"が誕生した. 彼を窮地に追い込んだ陰謀、復讐の果てに待つ真実とはいったい? その答えは誰も知らない──. 世界は復讐によってその姿を変えていく 本作の世界は主人公の行動と密接に関係しており、行動内容で世界が変化する. 舞台となるダンウォールの街は、主人公の足跡をたどるように変わっていくのだ. 復讐の道筋は多彩であり、その手段によって街が変貌する. それが、本作最大の特徴である. プレイヤーは己の能力を駆使して、思うがままに敵を倒せばいい. しかし、選択が物語を思いもよらぬ方向へ展開させていくかもしれない... . 暗殺の手段はすべてプレイヤーの手に委ねられている 復讐の鬼と化したコルヴォ. 彼の物語は、プレイヤーの行動で表情を変えていく. 影に身を潜めて敵の視線をかいくぐり、あざむきながら敵地に潜入する方法がある. 敵の返り討ちを恐れることなく、真っ向から攻め込むというアグレッシブなスタイルを貫く方法もある. 自身の持てる能力、そして身のまわりにある事象すべてが、コルヴォの武器となるのだ. 暗殺の方法にルールはない. 重要なのは、ただひとつ. いかなる手段を持ってしても、復讐という目的を達成することだ. そして、それが許されるフレキシブルな戦闘システムが、本作には搭載されている. 人知を超えた能力を持つコルヴォが見せる空前の戦い 主人公のコルヴォが、謎の存在"アウトサイダー"から授けられた闇の能力、それが"超常能力"である. テレポートで一瞬のうちに敵地へ潜入する. 動物を操って、敵を攻撃させる. 時間を止めて、敵に奇襲を仕掛けるなど、その効果はじつに多彩だ. さまざまな力を持つ超常能力と、豊富なラインアップが揃う武器、行動をサポートしてくれるガジェットを組み合わせて、困難な状況を切り抜ける方法を見つける. この戦略性も、本作の魅力のひとつである. 自分に合ったプレイスタイルで、不可能を可能にする爽快感に酔いしれよう. "奇才"が構築する時代を超えた世界 本作の舞台となるのは、忌まわしき陰謀の嵐が吹き荒れるダンウォールの街だ. 過去と未来が錯綜しているかのような、この独特な世界を生み出したのは、ヴィクトル・アントノフ. 世界的なアートディレクターであり、彼にしか生み出せない世界をゲームの中に出現させる. その手腕は、ダンウォールの街でもいかんなく発揮されている. "奇才"の手によって構築された、人間の罪を体現しているこの街こそ、復讐の舞台となるにはふさわしい. ※週刊ファミ通2012年5月3日号(2012年4月19日発売)には開発者インタビューも掲載 Dishonored(ディスオナード) メーカー ベセスダ・ソフトワークス 対応機種 Xbox360 / プレイステーション3 発売日 2012年発売予定 価格 価格未定 ジャンル アクション / SF 備考 開発: Arkane Studios、プロデューサー: 岩本 けい (C) 2012 ZeniMax Media Inc. Developed in association with Arkane Studios SAS. Dishonored, Bethesda, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. Arkane and related logos are registered trademarks or trademarks of Arkane Studios SAS in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved. ※画面は開発中のものです. ものすごくうるさくて、ありえないほど近くにある親の愛. ものすごくうるさいのに、ありえないほど近くに感じる人を愛しむ気持ち. 9.11アメリ同時多発テロで愛する父親を亡くした少年が、遺された鍵の鍵穴を探してNYに住む470人以上のブラックさんを訪ね歩くその先に見つけた「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」愛に自然と涙がこぼれおちる映画でした. かつて「他人は自分を映す鏡」という言葉を聞いたことがあります. 自分の言動や深層心理は自問自答するよりも他人と接した時の相手の反応で分かるものであると. この映画の主人公であるオスカー少年も凄く頭がいい一方で、考えすぎてブランコにも乗れないビビりちゃんであり、知識がありすぎて他人を少々見下し暴言も吐く困ったちゃんなうえに、他人と接することが苦手なこともあって自分がよく見えていない井の中の蛙ちゃん. ですから当初は亡き父親トーマスがそんな他人から愛されにくい性格の息子を心配して、オスカー少年が否が応でも様々な人に「調査名目」で会話ができるようにあの鍵を遺してくれたのかと思っていましたが、まぁこのブラックさん歴訪記を見てもこのオスカー少年が精神的に成長するした様子はほとんどなし. しかし言葉を失った筆談間借り人と出会い、2人でブラックさん訪ね、旅をするようになったからのオスカー少年のゆっくりと成長していく姿には少しずつですが、哀しみ以外のものがしっかりと見え始めてくるんですよね. Lebron James 特に言葉を一切話さずにアカデミー助演男優賞にノミネートされたマックス・フォン・シドー先生の演技の素晴らしさは、容易にオスカー少年の祖父だと分かっても、時に父親代わりになりながらオスカー少年を導こうとするお茶目な優しさと時折見せる淋しそうな目が、大きな悲しみに直面した遺族の気持ちを雄弁に語ってくれていること. 結局父親が遺してくれたと思っていた鍵は最初に訪ねたアビー・ブラックの夫ウィリアムの父親が遺してくれたものでしたが、その後に明かされる実は母親リンダがオスカー少年のブラックさん歴訪の旅を知り、全てのブラックさんに事前挨拶をしていたというくだりには自然と涙がこぼれおちましたよ. オスカー少年を苦しめていた父親が遺した留守電も母親との会話も、当初はものすごくうるさく感じていたのに、今はありえないほど近くにも感じる. それが親の愛なんですよね. ニューヨークという街はものすごくうるさい大都会. でもオスカー少年が全てのブラックさんたちに出した手紙のように、9.11により同じ哀しみを持った遺族がお互いをありえないほど近くに感じることのできる街. 人と人の絆はブランコのチェーンのようにしっかりと結ばれているもの. それが壊れる時は愛という潤滑油がなくなってしまった時だけ. そんな親の愛がたくさん詰まったブランコに乗るオスカー少年と、落ちていく人間がワールドトレードセンタービルに逆に戻っていくように見せる「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い仕掛け絵本型調査報告書を読む母親リンダで〆るラスト. 亡くなった人は二度と帰ってはきませんが、愛する人はどんな形であれ必ず帰ってくる. そのための準備こそが自分を映す鏡にたくさん出会うことだと言わんばかりに、丁寧すぎるくらい丁寧な演出を見せるスティーブン・ダルドリー監督. いつかこの監督がオスカーを手にする日を心待ちにしたいと思います. 深夜らじお@の映画館 はこの長い邦題が原題の直訳ということにちょっと驚きでした. ※お知らせとお願い ■ 【元町映画館】 に行こう.