銃撃戦だけじゃない! 『バイナリードメ

セガから3月18日に発売されたPS3用ソフト『龍が如く4 伝説を継ぐもの(以下、龍が如く4)』. 本作のメインシナリオを手掛けた横山昌義さんにインタビューを行った. 熱い人間ドラマの描写が人気のアクションAVGシリーズ『龍が如く』. 最新作『龍が如く4』では、桐生一馬に加え、秋山駿、冴島大河、谷村正義という3人の主人公が加わり、さまざまな視点から、ストーリー、神室町を楽しむことができる. アクションやサブストーリーも、4人それぞれの視点の特徴が出たものになっている. インタビュー中では、シナリオを生み出していく過程や、本作を制作するにあたって気をつけたところ、シリーズに対しての考えなどを聞いた. 以下に掲載するので、シリーズファンだけでなく、少しでも興味がある人もぜひご覧いただきたい. ――横山さんは、『龍が如く』において、どのような仕事を担当しているのでしょうか? 主にメインシナリオといわれる物語の本筋の脚本を書いています. あとは、音声収録時の音響監督と、イベントシーンのモーション撮影時の監督です. その他、制作進行的な仕事も担当しています. ――『龍が如く4』に取りかかったのはいつごろだったのでしょうか? いつぐらいだったかな? (笑) ... ちょうど『龍が如く3』の発売数日前に、熱海の温泉宿に行ったんですが、その温泉につかっている時にプロットを思いついたのを覚えています. 『龍が如く』のエンディングで100億が空から降ってきて、その金を拾ったホームレスとかが金貸しとなって登場したりしたらおもしろいかなぁ、とか考えていました. 主人公の1人である秋山駿は、東城会の100億円を手にして、運命を変えた男だ. ――今回、主人公が4人に増えています. ストーリーを作るにあたり注意した点はありましたか? これまで『龍が如く』の主人公は、桐生一馬で通してきています. たぶん、シリーズファンの方たちは、"桐生として"事件にかかわり、"桐生として"神室町で遊びたいんだと思うんです. ゲームエンターテインメントのおもしろさって、プレイしながらその操作している主人公にのめりこめるかどうかがカギなので、複数主人公にすることで、その没入感が薄れてしまう危険性があると考えていました. なので、主人公4人均等に感情移入ができるよう、キャラ作りはいつも以上にしっかりやろうと. 特に新キャラに関しては、必要以上に気をつかいましたね. ――個人的にですが、序盤から秋山の魅力が前面に出て、先が知りたくなる展開になっていると感じました. 秋山はひょうひょうとしているけれど、締めるところは締めるという、桐生は違ったタイプのヒーロー. これは日本の漫画・アニメの世界に昔からあるトラディショナルなヒーロー像の1つです. 僕自身がこのタイプのキャラが大好きだったので、うまく『龍が如く』の世界観に落としこめるという自信はありました. 秋山というキャラクターを、物語の"トップバッター"に配置したのは、そういった自信の表れです. このキャラクターなら、まずユーザーの方に嫌われないだろうと(笑). いろんな意味で、今作は"続編"ではなく"新作"を作るつもりで臨んだので、見た目の世界観は同じでも、キャラクターの性格や立ち位置が変わることで"新たな世界"を感じてほしいなと. 秋山はその入り口を担当する非常に重要な役周りと言えますね. ――マジメなシーンになると、熱い性格が秋山から出ていますよね. 私自身が、大映TVドラマの『スクール☆ウォーズ』や『プロゴルファー礼子』とか、ストレートな感情表現で描いていたドラマを見ていた最後の世代ということもあり、ある意味同じ年の設定の秋山にはそういうスポ根的なノリを入れています. 若い谷村との世代の差を感じられるような演出も入れたりしていますね. 若いユーザーの方が見ると「なんだろう? このノリ」って感じるシーンは、そういう影響があるかと思います. ――声優の山寺宏一さんに秋山をお願いしたのは、横山さんたっての希望と聞きました. どんな思いがあったのでしょうか? 個人的に、山寺さんは現在日本で最高の声優さんの1人だと思っているので、いつかお願いしたいと考えていました. ただ、山寺さんにお願いするからには、100%合う役を用意したかった. ... もちろん技量がある方なのでどんな役でもできるんでしょうが、加持くん(『新世紀エヴァンゲリオン』の加持リョウジ)やスパイク(『カウボーイビバップ』のスパイク・スピーゲル)のようなノリが山寺さんの真骨頂だと思うんです. 『龍が如く』でもようやくそのようなキャラクターができたので、山寺さんがやってくれると信じてシナリオを書きました. 秋山は、桐生の1.5倍くらいのセリフがあって、とにかくよくしゃべるキャラ. 一見間延びしそうなセリフをスラスラとテンポよく演じられる人って少ないと思うんですが、山寺さんならできると信じていた. 逆に山寺さんがやっていてくれなかったら、どうなったんだろうと思います. どうにかキャスティングできたので、よかったですね. ――やはりキャスティングするのは難しかったんですか? 僕の中では、今回出演しているどの俳優さんよりも難しいと思っています. 実際、一番最後に決まりましたから. 他のスタッフにも「もうスケジュール的に厳しいから、やめない? 」と何度か言われました(苦笑). ただ、どうしてもお願いしたかった. その器を用意するためにも、秋山の設定に関しては気を遣いましたね. ――そのかいあってか、秋山の人気は高いですね. 秋山と冴島は高いですね. このふたりに共通して言えるのは「時代遅れのヒーロー」ということです. 逆にソレが新鮮に映るのではないかと. たとえばですが、最近はTVアニメ版の『ルパン3世』を見ていない世代が増えていると思うんですよ. もちろん劇場用アニメ『ルパン三世カリオストロの城』などで、ルパンというキャラの設定自体は知っているんだけど、オリジナルにしかないルパンのカッコよさまでは知らない. そういった"知られざる"カッコよさの要素を、秋山や冴島には散りばめています. 今の子から見てもルパンや『仁義なき戦い』の広能(広能昌三)みたいなキャラはやっぱりカッコよく見えると思いますので. →次ページでシナリオを生み出す過程やキャラクター制作秘話を激白. セガは、2月16日に発売するPS3/Xbox 360用ソフト『バイナリードメイン』の新情報を公開した. 本作は、『龍が如く』シリーズの総合監督・名越稔洋さんが率いる、"龍が如くスタジオ"が手掛けるアクションゲーム. 2080年の東京を舞台に "命"をテーマにした熱い人間ドラマが展開する. 『龍が如く』で培った表現力に加えて、世界最高峰のAI(人工知能)とオンラインマルチプレイの開発に取り組んでいるという. 今回明らかになったのは、ゲーム中に収録されているさまざまなスペシャルステージ. あわせて、移動砲台・モービルガンについても公開された. ●移動砲台・モービルガンが登場 AMADA社製の、滑腔砲を搭載した市街戦用ロボット. 2075年度採用で、IRTAコードは"MRJ-0124". 下層都市に拠点を置く都市ゲリラの掃討戦において、迅速かつ柔軟な展開能力のある重火力兵器として開発された. バランス制御技術は不安定な地形での運用だけでなく、発射時のリコイル軽減にも威力を発揮する. ゲーム終盤では、この移動砲台をコントロールして敵を撃ちまくるステージもあるようだ. ●銃撃戦以外に用意されたスペシャルステージを紹介基本的には、ロボットとの銃撃戦がメインとなっている本作だが、ゲーム中には銃撃戦以外にもさまざまな"スペシャルステージ"が用意されている. 崩壊するビルからの脱出、水上バイクやカーチェイスなど内容も多種にわたっている. 設定された条件をクリアできなかった場合やプレイヤーの体力がなくなった場合はゲームオーバーとなる. ◆崩壊するビルからの脱出敵ロボット・スパイダーのミサイル攻撃により崩壊していくビルの瓦礫(がれき)を避けながら、ゴールを目指せ! 制限時間を超えると失敗になる. ◆エレベーターでの仲間救出敵ロボットにつかまれて、落ちそうになっている仲間を救う. 仲間を誤射せず、ロボットをハンドガンで打ち落としていこう. 時間経過や誤射により仲間の体力がなくなるとゲームオーバーだ. ◆移動砲台ジャックラストクルーのメンバー・カインがジャックした、敵ロボットのモービルガンを操作. 敵ロボットを全滅させゲートを破壊することになる. モービルガンが破壊されると失敗だ. ◆上層都市カーチェイス内務省刑事・黒澤率いる追跡部隊から逃げつつ、敵を撃破していくステージ. 激しく動く逃走車から、正確な射撃を行おう. ゲームオーバーの条件は、プレイヤーの体力がなくなること. ◆クレーン操作相棒であるボウがおとりとなっている間に、クレーンを操作. コンテナをグランランサーに直撃させていこう. コンテナがグランランサーにヒットすれば成功だ. ◆巨大滑り台東京湾大堤防を脱出することが目的の、巨大滑り台ステージ. 前方から迫り来る障害物を避けつつ、プレイヤーの体力がなくなる前に、堤防斜面を下っていこう. ◆高層ビル連絡通路脱出上層都市の高層ビルをつなぐ"連絡通路"が崩壊. 連絡通路崩壊前に、目的地まで渡り切ることができるか!? ◆水泳偵察機をよけつつ、制限時間内にタンカーまで泳ぎ切る. 偵察機に見つかると攻撃されてしまう. 体力がなくなるか、制限時間をオーバーすると失敗だ. ◆水上バイクチェイス水上バイクに乗って、上層都市潜入を目指す"水上バイクチェイス". 障害物を避けつつ、上層からの排水路をたどっていこう.