JR東海社長に柘植副社長が昇格 山田社長

ソウル=貝瀬秋彦】韓国の鉄道公社の労使対立が激化し、9日から始まったストが越年する見通しになった. 対立の元になっている公社の子会社設立を政府が27日に許可し、反発した労組は28日に大規模な集会を開催. 野党も政府への批判を強め、与野党対立の様相も帯び始めている. 労組側は、新たな高速鉄道路線を運営するための公社の子会社設立方針に「民営化の第一歩になる」と反発し、白紙化を求めてストに入ったが、政府は27日に子会社に鉄道運送事業の免許を発給. 公社は28日、ストを主導する労組幹部ら約490人に罷免(ひめん)を含む重い懲戒を科し、民事・刑事上の責任も問う方針を明らかにした. 全国鉄道労組は強く反発し、政府が免許発給を撤回しない限り、年を越えてストを続けると表明. 支援する全国民主労働組合総連盟(民主労総)は28日、ソウル市内で数万人規模の集会を開き、政府や公社を糾弾した. 野党も子会社への免許発給について「労組との対話を拒否するものだ」などと批判しており、与野党対立も深まっている. ストにより、列車の運行本数は平常時の8割前後に落ちており、年末年始も市民の足に影響が出そうだ. JR東海は16日、来年4月1日付で、柘植康英副社長(60)が社長に昇格する人事を発表した. 山田佳臣社長(64)は会長に、葛西敬之会長(73)は、代表権のある名誉会長にそれぞれ就任する. 来年度に予定しているリニア中央新幹線の着工に向け、代表取締役6人の新体制で臨む. 最年長の葛西会長は、1990年の副社長時代から代表権を持つ実力者. 来年で25年目となるが、新設する名誉会長として、引き続き社内外に影響力を持ち続けることになりそうだ. 柘植氏は人事部や総務部畑を歩み、早くから社長候補とされてきた. 岐阜県大垣市出身で中部経済同友会の代表幹事も務め、地元財界に人脈がある. リニアプロジェクトを推進してきた山田社長は、会長就任後も引き続きプロジェクトを先導する. 葛西会長は、リニアの海外展開や日本の鉄道規格の国際標準化などの海外業務を担う.