心臓移植、若者が優先? 71歳チェイニー

心臓移植に当たって年齢は考慮すべきか――71歳のチェイニー前米副大統領が心臓移植を受けたことをきっかけに年齢をめぐる議論が起きている. 医療技術の向上で、高齢でも移植を受けられるようになった半面、臓器提供者(ドナー)は不足、若年者に配慮すべきだとの意見も出ている. 心臓移植について、日本では関係学会がつくる基準で「60歳未満が望ましい」としているが、米国では医師の判断に委ねられる. チェイニー氏は24日、匿名のドナーから提供された心臓の移植手術を受け、経過は順調という. 移植までは20カ月間の待機期間があったといい、米心臓協会の担当者はAP通信に「これだけ待ったという事実が特別扱いではないことを示している」と話した. だが、心臓医のスクリプス・トランスレーショナル科学研究所のトポル所長は、「問題はチェイニー氏が移植を受けたことではなく、だれが受けられなかったかだ」と指摘. ペンシルベニア大学のカプラン教授(生命倫理)も「移植による恩恵をより受けることのできる若い世代のために年齢も考慮すべきではないか」と話している. エジプト最大の穏健派イスラム組織ムスリム同胞団と系列政党の自由公正党は3月31日、5月に予定される同国大統領選に、ハイラト・シャーティル副団長(61)を擁立すると発表した. 同胞団は下院で半数近くの議席を占めており、最有力候補として選挙戦を進めることになりそうだ. 「権力の独占」を警戒する世俗・リベラル派との対立が深まる可能性が高い. シャーティル氏は同胞団に多額の献金を続けてきた有力幹部. 学生時代から同胞団の活動に加わる一方、コンピューター販売や家具チェーン店などを経営する富豪として知られる. ムバラク政権時代には数回にわたり逮捕・投獄された. 出馬表明に伴い、副団長を辞任した. イスラムに沿った穏健な社会改革を訴える同胞団は、ムバラク政権崩壊まで数十年にわたり弾圧を受けながらも、じっくりと培ってきた草の根組織を基盤とする. 下院選で系列政党の自由公正党が4割強の議席を獲得するなど、強固な組織力を持っている.