エイリアンズvs.プレデター』

なぜ 前作 と同じポール・アンダーソン監督がメガホンを取らなかったのか? 正直このザ・ブラザース・ストラウスには『エイリアン』シリーズや『プレデター』シリーズに対する愛が足りないです. 『ドーン・オブ・ザ・デッド』と『エイリアンvs.プレデター』を合わせたような内容の割には、全てにおいて中途半端で物足りない出来でした. シリーズ化する気満々ですが、なんとなく 『SAW』 シリーズ同様に作を重ねるうちに本来の作品の魅力を失っていきそうな感じが強く残る映画でした. まず今回はタイトル通り複数のエイリアンと一人のプレデターの対決と、新種のプレデリアンとザ・クリーナーと呼ばれるプレデターとの対決のどちらがメインなのかがはっきりしていないのが不親切です. ただでさえランス・ヘンリクセンが出演していないことに不満を感じているのに、この不親切さはちょっと残念です. しかもあのラストもさらに不親切! というかあれはダメでしょう? プレデターが被り物を取ってブサイクな素顔を見せるその意味合いすら分かっていないうえに、決着が完全についたところであのラストならまだしも両雄の対決を最後まで見せてくれないなんて、やはりこのストラウス兄弟には愛が足りないです. その他にももっとエイリアンやプレデターの活躍を見せて! と思わざるを得ない内容に人間ドラマのシーンをもっとカットできなかったの? と思いました. CTR360 マエストリ 3 ただ夜の学校のプールで始まるはずだった淡い恋や帰らぬ夫を待つ健気な妻、単身赴任の母親になびかない娘を心配する父親のエピソードを容赦なく潰してくれる趣味の悪さは凄く好きでした. その他にも新しい命を宿した妊婦たちや鹿狩りを楽しむ親子までもあんなふうに扱う趣味の悪さもなかなかだと思いました. でもそれが故に肝心のエイリアンとプレデターの対決をもっと丁寧に見せてほしかったですね. センスのいい趣味の悪さもこれでは台無しですよ. サバイバルに長けてそうな女性兵士やタフな感じの非白人の刑事の登場は『プレデター』シリーズに対するオマージュっぽいのは分かるものの、じゃあ『エイリアン』シリーズに対するオマージュは? と聞きたくなるほど、全体的に監督たちの愛が足りないがためにその面白味さえも欠けてしまってる感じでした. だからこそ次作では是非ポール・アンダーソン監督とランス・ヘンリクセンの復活を望みます! ところであの東洋人女性は誰? 深夜らじお@の映画館 の今年の映画レビューは今日でお終いです.